写真 © Misae Hiromatsu
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北京バンプス

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場所
Beijing, China
2008
チーム
Principal Architect: Keiichiro Sako
Architectural Design
SAKO Architects

北京は東西南北の強い軸線によって秩序立てられた都市であり、ほとんどすべての街区はその方位に沿い長方形となっている。
建物や外構もまた街区に水平か垂直にレイアウトされている。
低密度の容積率の場合は、整然とした街並みが形成されるためメリットが大きいが、
300% を超える高密度な開発になると隣り合う建物同士の立面の見合いや、北向き住戸の発生などが問題となってくる。

「北京バンプス」は、デパートと4棟の集合住宅が複合した容積率350% の開発である。
敷地を覆う軸線を45度回転することにより、高密度の開発における有効な方法を提示している。
45度の「ふれ」により、向かい合う住宅棟の立面を別々の方向に向けさせることができる。
同時に北立面が無くなり、すべての立面が冬至の際にも日照を享受できる。
またデパートの入り口は東西それぞれの道路からちょうど真ん中の位置にある。
45度の「ふれ」は、敷地の四隅からその入り口までの歩行距離を最短とし、外部から人を引き込む効果をつくり出している。
住宅棟は2層を1単位としたスケーリング・ユニットが2mずつ「ずれ」ながら80mの高さまで積み重なっている。
セットバック部分はテラスとして活用される。
白と黒のユニットを上下左右に市松状に配置したことで「ずれ」を明確にし、凸凹とした建築の輪郭線を強調している。
また外壁に穿たれた「窓」「鏡窓」「室外機隠しルーバー」はすべて1m 角に揃えられている。
それらがランダムに配置され柱梁の存在を希薄にすることで、白と黒の単純な「ハコ」が堆積しているような様となっている。

通常超高層ビルは「垂直」性と分かちがたく結びついているが、この建築は「水平」な超高層ビルなのである。
7層のデパート部分においても、セットバック部分はレストランのテラスとして利用される。
またスケーリング・ユニットがキャンティレバーとしてファサードから9m 飛び出すことで、商業施設としての躍動感をアピールしている。

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